仕様と施工

技術資料

シート防水のメンテナンスに関するもの

シート防水上の花粉、土埃等の堆積被膜について

花粉や土埃の多い季節にはシート防水上にこれらが降積り、降雨によって流され集積された後、乾燥によって被膜化した堆積物が薄く剝がれるという現象が生じることがあります。

この現象が生じる際に、防水シート上に付着した汚れ成分も併せて剝がれることがあり、元の綺麗な表面層が現れ、あたかも防水シート表層が剝離しているかのように思われることがあります。

【参考写真】
写真-1.排水口付近

写真-1.排水口付近

写真-2.水溜まり付近

写真-2.水溜まり付近

写真-3.水溜まり付近

写真-3.水溜まり付近

写真-4.固定金具付近

写真-4.固定金具付近

これらの現象はあくまでもシート防水上に堆積した降下物が乾燥により剝がれるもので、シート表層が剝離しているものではありません。

塩化ビニル樹脂系シート防水や熱可塑性エラストマー系シート防水が施されている場合、防水シートの物性に影響を与えるものではありませんので、放置されても構わないのですが、見苦しいと感じる場合は以下の処置をお願い致します。

(1)堆積物は乾いた雑巾やスポンジなどで掃き集めて廃棄します。

(2)堆積物がこびりつき一部剝がれた状態の場合、散水により湿潤化した後、モップや箒などで軽く擦り落します。この場合、デッキブラシや金属ブラシのような硬いもので防水シートを擦らないでください。防水シートの表面層を傷つける恐れがあります。

(3)汚れが気になる場合は、家庭用中性洗剤を用いて柔らかい布やスポンジ、雑巾など柔らかいもので洗浄します。洗浄後は汚れとともに洗剤成分も十分に洗い流してください。


加硫ゴム系シート防水が施されている場合、稀に堆積物が仕上塗料を一緒に剝がしてしまう場合があります。仕上塗料は意匠性向上のために施されており、防水シートの物性上の問題はありません。見苦しいと感じる場合は、元請業者または防水施工業者に連絡し塗装のタッチアップ補修を依頼してください。

また、降下物に対する処置は塩化ビニル樹脂系シート防水や熱可塑性エラストマー系シート防水と同様に行ってください。