仕様と施工

技術資料

シート防水のメンテナンスに関するもの

防水シートの損傷防止

1.加硫ゴム系防水シート

損傷防止について、日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説JASS 8 防水工事」によれば次のように記されています。

防水層の施工完了後、防水層の上で行う他業種の工事、さらには防水層の保護・仕上工事によって防水層を損傷しないように、その養生についての注意事項である。

(1)防水層の上部で、火花の散るおそれのある溶接・溶断及びグラインダー掛け作業を行うと、落下した火花により防水層に穴があくなどの損傷のおそれがあるので養生を行います。なお防水材料には、溶剤を使用するものが多いため、防水工事中は近接した箇所でのこれらの作業は避けなければならない。

(2)コンクリートの圧送管の運搬、圧送時の振動・揺れ、移設又は解体、ねこ車などの運搬車の外板で防水層が傷つかないように養生シート、さらに足場板や合板などで養生します。またパイプ・足場・脚立及びはしごなどを使用する場合には、防水層に局部荷重がかからないように、板類を敷き養生する。

(3)設備配管の資材やその加工材の取扱い、設備器具の取付け作業、保護・仕上げとしてのコンクリートの伸縮目地材の据付け作業、さらにはタイル張り工事における水糸張りなどによって防水層が損傷を受ける例が多いので厳重に注意します。特に室内では他工事の作業が多いので注意しなければならない。

(4)仮設材料・資機材類の運搬及び取付けなどの作業のため、防水層の上を歩行する場合には、防水層を十分に養生するとともに関連工事関係者に防水層を損傷させないように、注意を徹底させることが必要である。