仕様と施工

技術資料

シート防水の施工や補助材料に関するもの

防水シート相互の接合方法

防水シートは、品質管理の行き届いた工場で生産されているため、ピンホールや厚さのばらつきはないと考えてよいでしょう。そのため、シート防水工法で水密性を確保するための最重要箇所は防水シート相互の接合部です。その接合方法は大きく分けて、接着剤による接合、溶剤による溶着、熱による融着などがありますが、防水層の種類別にその接合方法を下表に示しました。

表 防水シート相互の接合方法
防水層の種類 接合方法 接合部の接合幅
合成ゴム系 加硫ゴム系 溶剤系接着剤による接着 100mm以上
非加硫ゴム系 溶剤系接着剤による接着 70mm以上
合成樹脂系 塩化ビニル樹脂系 溶剤による溶着、熱風による熱融着 40mm以上
エチレン酢酸ビニル樹脂系 セメントペーストによる接着 100mm以上
熱可塑性エラストマー系 熱風による熱融着 40mm以上

注)機械的固定工法・接合部内固定の場合の接合幅

 

1.加硫ゴム系シート

上下の防水シートにそれぞれ接着剤を塗布し、指触によって乾燥を確認した後、100mm以上重ね合わせ、十分にローラー転圧を行って張り合わせます。なお、接合部には幅30mm程度のテープ状シール材を挿入する場合もあります。また、3枚重ね部には不定形シール材を充填します。

2.非加硫ゴム系シート

上下の防水シートにそれぞれ接着剤を塗布し、指触によって乾燥を確認した後、70mm以上重ね合わせ、十分にローラー転圧を行って張り合わせます。なお、3枚重ね部には不定形シール材を充填します。

3.塩化ビニル樹脂系シート

上下の防水シートを40mm以上重ね合わせ、溶着剤による溶剤溶着又は熱風による熱融着を行い、その重ね合わせたシートの端部は液状シール材でシールします。

4.エチレン酢酸ビニル樹脂系シート

上下の防水シートを100mm以上重ね合わせ、ポリマーセメントペーストによる接着を行います。

5.熱可塑性エラストマー系シート

上下の防水シートを40mm以上重ね合わせ、熱風による熱融着を行い、その重ね合わせたシートの端部は液状シール材でシールします。