仕様と施工

技術資料

シート防水層の諸性能に関するもの

断熱防止層の性能

1.断熱材の厚さと断熱効果

シートと断熱材の積層防水工法が今後ますます普及するものと考えられるが、その断熱効果について実測したデータを次に示す。断熱材の厚さによる下地面の温度の実験値をプロットしたものである。
また、断熱材(発泡ポリエチレン30倍発泡)の厚さとその上下(A点、B点)の温度差の関係を下図に示す。

コンクリートと断熱材面の日照による温度上昇



断熱材の厚さと温度差

2.断熱材の厚さと結露の関係

一定の条件における各外気温での断熱材厚さと結露の関係を下図に示す。

屋根結露防止に必要な断熱材の厚さ




結露防止に関する計算式は次の通りである。

  θSi>θd
ただし
θSi=θi-(θi-θo RSi
Rt
Rt=RSo p RC +RSi
λp λRC

ただし

θSi 室内側表面温度(℃)
θd 室内の温湿度における結露温度(℃)
θi 室内温度(℃)
θo 外気温度(℃)
Rt 熱貫流抵抗(m2h℃/kcal)
RSi 室内側表面温度熱伝達抵抗(0.133m2h℃/kcal)
RSo 外側表面熱伝達抵抗(0.04m2h℃/kcal)
λp 断熱材(30倍率発泡ポリエチレン)の熱伝導率(0.027kcal/mh℃)
λRC コンクリートの熱伝導率(1.4kcal/mh℃)
p 断熱材の厚さ(m)
RC コンクリートの厚さ(0.150m)

(図の見方)
たとえば外気温-10℃、室内温度10℃、室内湿度80%の時、結露防止に必要な断熱材の最低厚さは、13.7mmとなる。

3.ルーフィングシートの表面の温度

 ルーフィングシートは日照により表面温度が上昇するが、その上昇温度は表面の色により異なる。
黒色ルーフィングシートのコンクリート下地密着工法(RV-F101)における盛夏時の1日の温度変化を下記に示す。(T社 試験室屋上での測定結果 2001年8月)