仕様と施工
シート防水工法の仕様
一般社団法人 日本建築学会「JASS8 防水工事」標準仕様(2014年版)
合成高分子系シート防水工事
a.防水層の種別
合成高分子系シート防水層の種別は、表1~表9に示すとおりとする。なお、表中の[ ]内の数値は使用量を示す。脱気装置を設置する場合は、その位置、種類および個数は特記による。
部 位 | 平場(RC・PCa下地) (勾配1/50~1/20) |
平場(ALC下地) (勾配1/50~1/20) |
立上り(RC下地) |
---|---|---|---|
工程-1 | プライマー塗り [0.2kg/m2] |
プライマー塗り [0.3kg/m2] |
プライマー塗り [0.2kg/m2] |
工程-2 | 接着剤塗り 下地面[0.25kg/m2] シート面[0.15kg/m2] |
ALCパネル短辺接合部に 絶縁用テープ張付け (幅50mm程度) |
接着剤塗り 下地面[0.25kg/m2] シート面[0.15kg/m2] |
工程-3 | 加硫ゴム系シート 厚さ1.2mm張付け |
接着剤塗り 下地面[0.25kg/m2] シート面[0.15kg/m2] |
加硫ゴム系シート 厚さ1.2mm張付け |
工程-4 | - | 加硫ゴム系シート 厚さ1.2mm張付け |
- |
保護・仕上げ | 仕上塗料 | 仕上塗料 | 仕上塗料 |
工程-1 | 仕上塗料塗り | 仕上塗料塗り | 仕上塗料塗り |
[ RC:現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]
- [注](1)
- 立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材またはALCパネルとする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。目地部の処理および増張りは、特記による。
- (2)
- 使用するシートの種別は、均質または複合シートとし、その厚さは、特記のない場合は1.2mmとする。
- (3)
- 出隅角は、シートの張付け前に非加硫ゴム系シートを張り付ける。
- (4)
- プレキャスト鉄筋コンクリート部材接合部の目地処理は、特記による。
- (5)
- 防水層の立上りおよび立下りの末端部は、押え金物で固定し、不定形シール材を用いて処理する。
- (6)
- 仕上塗料の材質、色および塗布量は、特記による。
- (7)
- 裏面にあらかじめ粘着層を積層または接着剤を塗布したシートを使用する場合は、特記による。その場合の接着剤の使用量は、下地面のみに0.25kg/m2とする。
- (8)
- 表面に着色層を設けた加硫ゴム系シートを使用する場合は、特記による。その場合の保護・仕上げはなしとする。
部 位 | 平場(RC・PCa下地) (勾配1/50~1/20) |
平場(ALC下地) (勾配1/50~1/20) |
立上り(RC下地) |
---|---|---|---|
工程-1 | プライマー塗り [0.2kg/m2] |
プライマー塗り [0.3 kg/m2] |
プライマー塗り [0.2kg/m2] |
工程-2 | 接着剤塗り 下地面[0.25kg/m2] 断熱材面[0.15kg/m2] |
接着剤塗り 下地面[0.25kg/m2] 断熱材面[0.15kg/m2] |
接着剤塗り 下地面[0.25kg/m2] シート面[0.15kg/m2] |
工程-3 | 非加硫ゴム系シート 張付け(立上り際) |
非加硫ゴム系シート 張付け(立上り際) |
加硫ゴム系シート 厚さ1.2mm張付け |
工程-4 | 断熱材張付け | 断熱材張付け | - |
工程-5 | 接着剤塗り 断熱材面[0.15kg/m2] シート面[0.15kg/m2] |
接着剤塗り 断熱材面[0.15kg/m2] シート面[0.15kg/m2] |
- |
工程-6 | 加硫ゴム系シート 厚さ1.2mm張付け |
加硫ゴム系シート 厚さ1.2mm張付け |
- |
保護・仕上げ | 仕上塗料 | 仕上塗料 | 仕上塗料 |
工程-1 | 仕上塗料塗り | 仕上塗料塗り | 仕上塗料塗り |
[ RC:現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]
- [注](1)
- 立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材またはALCパネルとする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。目地部の処理および増張りは特記による。
- (2)
- 使用するシートの種別は均質または複合シートとし、その厚さは、特記のない場合、1.2mmとする。
- (3)
- 出隅角は、シートの張付け前に非加硫ゴム系シートを張り付ける。
- (4)
- 平場における工程-3の非加硫ゴム系シートの張付け幅は、100mm程度とする。非加硫ゴム系シートの上は、さらに接着剤を塗布する。
- (5)
- 防水層の立上りおよび立下りの末端部は、押え金物で固定し、不定形シール材を用いて処理する。
- (6)
- 仕上塗料の材質、色および塗布量は、特記による。
- (7)
- 裏面にあらかじめ粘着層を積層または接着剤を塗布したシートを使用する場合は、特記による。その場合の接着剤の使用量は、断熱材面には0.15kg/m2、立上り下地面には0.25kg/m2とし、シート面側には塗布しない。
- (8)
- 表面に着色層を設けた加硫ゴム系シートを使用する場合は、特記による。その場合の保護・仕上げは、なしとする。
- (9)
- 断熱材の材質は、ポリエチレンフォームとし、その厚さは、特記による。
部 位 | 平場(RC・PCa下地) (勾配1/50~1/20) |
立上り(RC下地) |
---|---|---|
工程-1 | 加硫ゴム系シート 厚さ1.5mmの固定金具による固定 |
プライマー塗り [0.2kg/m2] |
工程-2 |
- | 接着剤塗り 下地面[0.25kg/m2] シート面[0.15kg/m2] |
工程-3 |
- | 加硫ゴム系シート 厚さ1.5mm張付け |
保護・仕上げ | 仕上塗料 | 仕上塗料 |
工程-1 | 仕上塗料塗り | 仕上塗料塗り |
[ RC:現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]
- [注](1)
- 立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材とする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。目地部の処理および増張りは特記による。
- (2)
- 使用するシートの種別は、複合シートとし、その厚さは、特記のない場合、1.5mmとする。
- (3)
- 出隅角は、シートの張付け前に非加硫ゴム系シートを張り付ける。
- (4)
- 立上りおよび立下りを機械的固定工法とする場合は、特記による。
- (5)
- 防水層の立上りおよび立下りの末端部は、押え金物で固定し、不定形シール材を用いて処理する。
- (6)
- 仕上塗料の材質、色および塗布量は、特記による。
- (7)
- 表面に着色層を設けた加硫ゴム系シートを使用する場合は、特記による。その場合の保護・仕上げはなしとする。
- (8)
- ALCパネル下地への適用は、特記による。
- (9)
- シートの固定方法は、防水材製造所の指定による。その場合の固定金具の個数は、設計風圧力に基づいて決定する。
部 位 | 平場(RC・PCa下地) (勾配1/50~1/20) |
立上り(RC下地) |
---|---|---|
工程-1 |
断熱材の敷き並べ | プライマー塗り [0.2kg/m2] |
工程-2 |
加硫ゴム系シート 厚さ1.5mmの固定金具による固定 |
接着剤塗り 下地面[0.25kg/m2] シート面[0.15kg/m2] |
工程-3 |
― | 加硫ゴム系シート 厚さ1.5mm張付け |
保護・仕上げ | 仕上塗料 | 仕上塗料 |
工程-1 | 仕上塗料塗り | 仕上塗料塗り |
[ RC:現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]
- [注](1)
- 立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材とする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。目地部の処理および増張りは特記による。
- (2)
- 使用するシートの種別は複合シートとし、その厚さは、特記のない場合、1.5mmとする。
- (3)
- 出隅角は、シートの張付け前に非加硫ゴム系シートを張り付ける。
- (4)
- 立上りおよび立下りを機械的固定工法とする場合は、特記による。
- (5)
- 断熱材の固定方法は、防水材製造所の指定による。
- (6)
- 防水層の立上りおよび立下りの末端部は、押え金物で固定し不定形シール材を用いて処理する。
- (7)
- 仕上塗料の材質、色および塗布量は、特記による。
- (8)
- 表面に着色層を設けた加硫ゴム系シートを使用する場合は、特記による。その場合の保護・仕上げはなしとする。
- (9)
- ALCパネル下地への適用は、特記による。
- (10)
- 断熱材の材質は、ポリスチレンフォームまたは硬質ポリウレタンフォームとし、厚さは、特記による。
- (11)
- 「エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」(平成25年経済産業省・国土交通省告示1号)の別表4に定められた地域1、地域2、地域3および地域4においては、工程-1「断熱材の敷き並べ」に先立ち、防湿用フィルムを敷き並べる。
- (12)
- シートの固定方法は、防水材製造所の指定による。その場合の固定金具の個数は、設計風圧力に基づいて決定する。
部 位 | 平場(RC・PCa下地) (勾配1/50~1/20) |
平場(ALC下地) (勾配1/50~1/20) |
立上り(RC下地) |
---|---|---|---|
工程-1 | 接着剤塗り 下地面[0.2kg/m2] シート面[0.2kg/m2] |
プライマー塗り [0.3kg/m2] |
接着剤塗り 下地面[0.2kg/m2] シート面[0.2kg/m2] |
工程-2 | 塩化ビニル樹脂系 シート厚さ1.5mm張付け |
ALCパネル短辺接合部に 絶縁用テープ張付け (幅50mm程度) |
塩化ビニル樹脂系 シート厚さ1.5mm張付け |
工程-3 | - | 接着剤塗り 下地面[0.2kg/m2] シート面[0.2kg/m2] |
- |
工程-4 | - | 塩化ビニル樹脂系 シート厚さ1.5mm張付け |
- |
保護・仕上げ | な し | な し | な し |
工程-1 | - | - | - |
[ RC:現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]
- [注] (1)
- 立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材またはALCパネルとする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。目地部の処理および増張りは、特記による。
- (2)
- 使用するシートの厚さは、特記のない場合、1.5mmとする。
- (3)
- 出入隅角は、シート施工後、成形役物を張り付け、その端部は液状シール材を用いて処理する。
- (4)
- プレキャスト鉄筋コンクリート部材接合部の目地処理は、特記による。
- (5)
- 防水層の立上りおよび立下りの末端部は、押え金物で固定し、不定形シール材を用いて処理する。
- (6)
- 工程表の接着剤は、合成ゴム系とする。平場にエポキシ樹脂系の接着剤を用いる場合、その使用量は下地面のみに0.4kg/m2とする。
部 位 | 平場(RC・PCa下地) (勾配1/50~1/20) |
平場(ALC下地) (勾配1/50~1/20) |
立上り(RC下地) |
---|---|---|---|
工程-1 | 接着剤塗り 下地面[0.2kg/m2] 断熱材面[0.2kg/m2] |
プライマー塗り [0.3kg/m2] |
接着剤塗り 下地面[0.2kg/m2] シート面[0.2kg/m2] |
工程-2 | 断熱材張付け | 接着剤塗り 下地面[0.2kg/m2] 断熱材面[0.2kg/m2] |
塩化ビニル樹脂系 シート厚さ1.5mm張付け |
工程-3 | 断熱材の固定金具による 固定(立上り際) |
断熱材張付け | - |
工程-4 | 接着剤塗り 断熱材面[0.2kg/m2] シート面[0.2kg/m2] |
断熱材の固定金具による 固定(立上り際) |
- |
工程-5 | 塩化ビニル樹脂系 シート厚さ1.5mm張付け |
接着剤塗り 断熱材面[0.2kg/m2] シート面[0.2kg/m2] |
- |
工程-6 | - | 塩化ビニル樹脂系 シート厚さ1.5mm張付け |
- |
保護・仕上げ | な し | な し | な し |
工程-1 | - | - | - |
[ RC:現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]
- [注](1)
- 立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材またはALCパネルとする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。目地部の処理および増張りは、特記による。
- (2)
- 使用するシートの厚さは、特記のない場合は、1.5mmとする。
- (3)
- 出入隅角は、シート施工後、成形役物を張り付け、その端部は、液状シール材を用いて処理する。
- (4)
- 防水層の立上りおよび立下りの末端部は、押え金物で固定し、不定形シール材を用いて処理する。
- (5)
- 工程表の接着剤は、合成ゴム系とする。
- (6)
- 断熱材の材質は、ポリエチレンフォームとし、その厚さは、特記による。
部 位 | 平場(RC・PCa下地) (勾配1/50~1/20) |
立上り(RC下地) |
工程-1 | 塩化ビニル樹脂系シート 厚さ1.5mmの固定金具による固定 |
塩化ビニル樹脂系シート 厚さ1.5mmの固定金具による固定 |
保護・仕上げ | な し | な し |
工程-1 | - | - |
[ RC:現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]
- [注](1)
- 立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材とする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。目地部の処理および増張りは特記による。
- (2)
- 使用するシートの厚さは、特記のない場合、1.5mmとする。
- (3)
- 出入隅角は、シート施工後、成形役物を張り付け、その端部は、液状シール材を用いて処理する。
- (4)
- 立上りおよび立下りを接着工法とする場合は、特記による。
- (5)
- 防水層の立上りおよび立下りの末端部は、固定金具に固定し、不定形シール材を用いて処理する。
- (6)
- ALCパネル下地への適用は、特記による。
- (7)
- シートの固定方法は、防水材製造所の指定による。その場合の固定金具の個数は、設計風圧力に基づいて決定する。
部 位 | 平場(RC・PCa下地) (勾配1/50~1/20) |
立上り(RC下地) |
---|---|---|
工程-1 | 断熱材の敷き並べ | 塩化ビニル樹脂系シート 厚さ1.5mmの固定金具による固定 |
工程-2 | 可塑剤移行防止用シートの敷き並べ | - |
工程-3 | 塩化ビニル樹脂系シート 厚さ1.5mmの固定金具による固定 |
- |
保護・仕上げ | な し | な し |
工程-1 | - | - |
[ RC:現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]
- [注](1)
- 立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材とする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。目地部の処理および増張りは、特記による。
- (2)
- 使用するシートの厚さは、特記のない場合、1.5mmとする。
- (3)
- 出入隅角は、シート施工後、成形役物を張り付け、その端部は、液状シール材を用いて処理する。
- (4)
- 立上りおよび立下りを接着工法とする場合は、特記による。
- (5)
- 断熱材、可塑剤移行防止用シートの敷き並べおよび固定方法は、防水材製造所の指定による。ただし,硬質ポリウレタンフォームまたは可塑剤移行防止用シ-ト付きポリスチレンフォームの場合は、可塑剤移行防止用シートの敷き並べは行わない。
- (6)
- 防水層の立上りおよび立下りの末端部は、固定金具に固定し、不定形シール材を用いて処理する。
- (7)
- ALCパネル下地への適用は、特記による。
- (8)
- 「エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」(平成25年経済産業省・国土交通省告示1号)の別表4に定められた地域1、地域2、地域3および地域4においては、工程-1「断熱材の敷き並べ」に先立ち、防湿用フィルムを敷き並べる。
- (9)
- シートの固定方法は、防水材製造所の指定による。その場合の固定金具の個数は、設計風圧力に基づいて決定する。
部 位 | 平場(RC・PCa下地) (勾配1/50~1/20) |
立上り(RC下地) |
---|---|---|
工程-1 | プライマー塗り[0.3kg/m2] | プライマー塗り[0.3kg/m2] |
工程-2 | 接着剤塗り [ポリマーセメントペースト 5.0[kg/m2] |
接着剤塗り [ポリマーセメントペースト 5.0[kg/m2] |
工程-3 | エチレン酢酸ビニル樹脂系シート 厚さ1.0mm張付け |
エチレン酢酸ビニル樹脂系シート 厚さ1.0mm張付け |
保護・仕上げ | ポリマーセメントモルタル | ポリマーセメントモルタル |
工程-1 | ポリマーセメントモルタル塗り [7.0kg/m2] |
ポリマーセメントモルタル塗り [7.0kg/m2] |
[RC:現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]
- [注](1)
- 立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材とする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。目地部の処理および増張りは、特記による。
- (2)
- 使用するシートの厚さは、特記のない場合、1.0mmとする。
- (3)
- 出入隅角は、シートの張付けに先立ち、成形役物または増張りシートを張り付ける。
- (4)
- 防水層の立上りおよび立下りの末端部は、押え金物を使用せず、ポリマーセメントペーストで処理する。
- (5)
- プレキャスト鉄筋コンクリート部材接合部の目地処理は、特記による。
- (6)
- ポリマーセメントペーストは、エチレン酢酸ビニル樹脂系またはアクリル樹脂系エマルションと水、セメントを使用直前に調合する。調合は、防水材製造所の指定する比率とする。