仕様と施工

シート防水工法の仕様

「公共建築工事標準仕様書」

合成高分子系ルーフィングシート防水


1.適用範囲

 この節は、現場打ち鉄筋コンクリート下地、ALCパネル下地及びPCコンクリート部材下地に、合成高分子系ルーフィングシート(均質シート又は複合シート)(以下この節において「ルーフィングシート」という。)を用いて施工する露出防水に適用する。

2.材料

(a)
ルーフィングシートは、JIS A 6008(合成高分子系ルーフィングシート)により、種類及び厚さは特記による。特記がなければ、表1及び表2による。
なお、粘着層付又は接着剤付加硫ゴム系ルーフィングシートの粘着層は、強風による飛散、浮き等が生じないための負圧抵抗性能を有しているものとし、ルーフィングシート製造所の指定する製品とする。
(b)
絶縁用シートの材質は、特記による。特記がなければ、発泡ポリエチレンシートとする。
(c)
その他の材料
(1)
プライマー、増張り用シート、成形役物、接着剤、仕上塗料、シール材、固定金具、絶縁用テープ、防湿用フィルム等は、ルーフィングシート製造所の指定する製品とする。
(2)
固定金具の材質及び寸法形状は、特記による。特記がなければ、防錆処理した鋼板、ステンレス鋼板及びそれらの鋼板の片面又は両面に樹脂を積層加工したもので、厚さ0.4mm以上のものとする。
(3)
断熱工法に用いる断熱材の材質及び厚さは、特記による。特記がなければ、次による。
(i)
機械的固定の場合は、次のいずれかによる。
JIS A 9521 (建築用断熱材) による硬質ウレタンフォーム断熱材2種1号又は2号で透湿係数を除く規格に適合するもの
JIS A 9521 (建築用断熱材) による押出法ポリスチレンフォ-ム断熱材の1種b、2種b 又は3種b
JIS A 9511 (発泡プラスチック保温材) によるA種硬質ウレタンフォーム保温材の保温板2種1号又は2号で透湿係数を除く規格に適合するもの
JIS A 9511 (発泡プラスチック保温材) によるA種押出法ポリスチレンフォ-ム保温材の保温板
(ii)
接着工法の場合は、(i)①から④までに示すもののほか、JIS A 9521 (建築用断熱材)によるポリエチレンフォ-ム保温材の密度及び熱伝導率の規格に適合するもの又はJIS A 9511 (発泡プラスチック保温材) によるA種ポリエチレンフォ-ム保温材の密度及び熱伝導率の規格に適合するものとする。

3.防水層の種別及び工程

 防水層の工法、種別及び工程は、表1及び表2により、適用は特記による。ただし、ALCパネル下地の場合は、機械的固定工法は適用しない。

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表1 合成高分子系ルーフィングシート防水の工法、種別及び工程
工法 接着工法 機械的固定工法
種別 S-F1 S-F2 S-M1 S-M2 S-M3
工程 材料・工法 使用量
(kg/㎡)
材料・工法 使用量
(kg/㎡)
材料・工法 使用量
(kg/㎡)
材料・工法 使用量
(kg/㎡)
材料・工法 使用量
(kg/㎡)
1 プライマー塗り 0.2
(0.3)(注)1

(プライマー塗り)
-
(0.3)(注)1
2 接着剤塗布 0.4(注)2 接着剤塗布 0.4
3 加硫ゴム系ルーフィングシート(1.2mm)張付け 塩化ビニル樹脂系ルーフィングシート(2.0mm)張付け 加硫ゴム系ルーフィングシート(1.5mm)の固定金具による固定 塩化ビニル樹脂系ルーフィングシート(1.5mm)の固定金具による固定 熱可塑性エラストマー系ルーフィングシート(1.2mm)の固定金具による固定
4 仕上塗料塗り(注)4 仕上塗料塗り(注)4
(注)1.
ALCパネルの場合は、工程1を( )内とする。
2.
S-F1の場合で粘着層付又は接着剤付加硫ゴム系ルーフィングシートを使用する場合は、工程2の接着剤使用量を0.2kg/㎡(下地面のみ)とする。
3.
S-M2の場合で立上りを接着工法とする場合は、立上り面のシート厚さを特記がなければ1.5mmとする。
4.
仕上塗料の種類及び使用量は、特記による。

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表2 合成高分子系ルーフィングシート防水(断熱工法)の工法、種別及び工程
工法 接着工法 機械的固定工法
種別 SI-F1 SI-F2 SI-M1 SI-M2
工程 材料・工法 使用量
(kg/㎡)
材料・工法 使用量
(kg/㎡)
材料・工法 使用量
(kg/㎡)
材料・工法 使用量
(kg/㎡)
1 プライマー塗り 0.2
(0.3)(注)1

(プライマー塗り)
-
(0.3)(注)1
2 接着剤/断熱材 接着剤/断熱材 防湿用フィルム/断熱材 防湿用フィルム/断熱材
3 接着剤塗布 0.4(注)3 接着剤塗布 0.4 絶縁用敷設シート(注)2
4 加硫ゴム系ルーフィングシート(1.2mm)張付け 塩化ビニル樹脂系ルーフィングシート(2.0mm)張付け 加硫ゴム系ルーフィングシート(1.5mm)の固定金具による固定 塩化ビニル樹脂系ルーフィングシート(1.5mm)の固定金具による固定
5 仕上塗料塗り(注)6 仕上塗料塗り(注)6
(注)1.
ALCパネルの場合は、工程1を( )内とする。
2.
SI-M2の場合で断熱材がA種硬質ウレタンフォーム保温材を用いる場合は、工程3を行わない。
3.
SI-F1の場合で粘着層付又は接着剤付加硫ゴム系ルーフィングシートを使用する場合は、工程3の接着剤使用量を0.2kg/㎡(下地面のみ)とする。
4.
SI-M2の場合で立上りを接着工法とする場合は、立上り面のシート厚さを特記がなければ1.5mmとする。
5.
工程2の断熱材張付けは、ルーフィング製造所の仕様による。
6.
仕上塗料の種類及び使用量は、特記による。

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表3 合成高分子系ルーフィングシート防水(屋内保護密着工法)の工法、種別及び工程
工法 屋内保護密着工法
種別 S-C1(注)1
工程 材料・工法 使用量
(kg/㎡)
1 プライマー塗り 0.3
2 接着剤(ポリマーセメントペースト)
塗布
5.0
3 エチレン酢酸ビニル樹脂系
ルーフィングシート(1.0mm)張付け
4 モルタル塗り (注)2
(注)1.
S-C1 については、屋内防水に適用する。
2.
工程4 のモルタルの塗り厚さは、特記による。

4.施工

(a)
防水層の下地
(1)
防水層の下地は、9.2.4(a)による。ただし、入隅は通りよく直角とし、出隅は通りよく45°の面取りとする。
(2)
ルーフドレン、配管等に施されている塗料で、プライマー及び接着剤で溶解するおそれのあるものは、ルーフィングシートの張付けに先立ち、ワイヤブラシ、溶剤を含ませたウエス等を用いて除去する。
(b)
プライマー塗り (接着工法及び屋内保護密着工法)
(1)
下地が十分乾燥したのちに清掃を行い、塗布する。
(2)
接着工法の場合、ローラーばけ等を用いて当日の施工範囲をむらなく塗布する。
(3)
屋内保護密着工法の場合、左官ばけを用いて擦り込むように当日の施工範囲をむらなく塗布する。
(c)
接着剤の塗布 (接着工法及び屋内保護密着工法)
(1)
接着工法で下地に塗布する場合は、プライマーの乾燥後、ローラーばけ、くしベら等を用いてむらなく行う。
(2)
接着工法でルーフィングシート及び断熱材に塗布する場合は、ローラーばけ、くしべら等を用いる。
(3)
屋内保護密着工法の場合は、プライマーの乾燥後、金ゴテ等を用いて下地にむらなく塗布する。
(d)
目地処理 (接着工法及び屋内保護密着工法)
ALCパネル下地で種別S-F1、SI-F1、S-F2 及びSI-F2 の場合は、ルーフィングシート張付けに先立ち、パネル短辺の接合部の目地部に幅50mm程度の絶縁用テープを張り付ける。
なお、PCコンクリート部材下地及びALCパネル下地で種別S-C1 の場合は、特記による。
(e)
増張り及び成形役物
(1)
立上り部の出入隅角の補強は、次による。
(i)
種別S-F1、SI-F1、S-M1 及びSI-M1 の場合は、ルーフィングシート張付けに先立ち、200mm角程度の増張り用シートを増張りする。
(ii)
種別S-F2、SI-F2、S-M2、SI-M2 及びS-M3 の場合は、ルーフィングシート施工後に、成形役物を張り付ける。
(iii)
種別S-C1 の場合は、ルーフィングシート張付けに先立ち、成形役物又は増張り用シートを張り付ける。
(2)
種別S-F1 及びSI-F1 の場合のPCコンクリート部材の入隅部の増張り並びに種別S-C1の場合のALCパネル下地及びPCコンクリート部材の入隅部の増張りは、特記による。
(3)
種別S-F1、SI-F1、S-M1 及びSI-M1 の場合、ルーフドレン、配管等と周囲の防水下地材との取合いは、ルーフィングシートの張付けに先立ち、次の処理を行う。
(i)
ルーフドレン回りは、幅150mm程度の増張り用シートをドレンと下地に割り振り、ルーフドレンのつばには増張り用シートを100mm程度張り掛け、張り付ける。
(ii)
配管回りは、幅100mm程度の増張り用シートを下地面に20mm程度張り掛け、張り付ける。
(4)
屋内保護密着工法の場合、排水器具、配管等と周囲の防水下地材との取合いは、ルーフィングシートの張付けに先立ち、次の処理を行う。
(i)
排水器具回りは、幅250mm程度の増張り用シートを排水器具と下地に割り振り、排水器具のつばには増張り用シートを100mm程度張り掛け、張り付ける。
(ii)
配管回りは、幅250mm程度の増張り用シートを配管回りの下地面に張り付け後、幅80mm程度の増張り用シートを下地面に30mm程度張り掛け、張り付ける。
(f)
一般部のルーフィングシートの張付け
(1)
接着工法の場合は、塗布した接着剤のオープンタイムを確認して、ルーフィングシートに引張りを与えないよう、また、しわを生じないように張り付け、ローラー等で転圧して接着させる。
(2)
機械的固定工法の場合は、次による。
(i)
建築基準法に基づき定まる風圧力に対応した工法は、特記による。
(ii)
絶縁用シートを敷き並べたのちに、 (ⅰ)に基づき、固定金具を用いてルーフィングシートを固定する。ルーフドレン回りは、ルーフドレン周囲から300mm程度の位置に固定金具を設けて、これにルーフィングシートを固定する。ただし、種別S-M1、S-M2、S-M3 及びSI-M1 は原則として、絶縁用シートを敷設しない。
(3)
屋内保護密着工法の場合は、接着剤(ポリマーセメントペースト)の塗布後、速やかにルーフィングシートを張り付け、ローラー等で転圧して密着させる。
(4)
ルーフィングシートの重ね幅等は、次による。
(i)
種別S-F1、SI-F1、S-M1 及びSI-M1 の場合
ルーフィングシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも100mm以上とする。ただし、立上りと平場の重ね幅並びにS-M1及びSI-M1 において接合部内に固定金具を設ける場合の重ね幅は、150mm以上とする。ルーフィングシートが3枚重ねとなる部分は、内部の段差部分に不定形シール材を充填する。
(ii)
種別S-F2、SI-F2、S-M2、SI-M2 及びS-M3 の場合
ルーフィングシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも40mm以上とする。種別S-F2、SI-F2、S-M2 及びSI-M2 の接合部は、熱風融着又は溶剤溶着により接合し、その端部を液状シ-ル材でシ-ルする。また、種別S-M3 の接合部は、熱風融着により接合し、その端部を液状シール材でシールする。ルーフィングシートが3枚重ねとなる部分は、熱風融着して重ね部の隙間をなくす。
(iii)
種別S-C1 の場合
ルーフィングシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも100mm以上とする。ルーフィングシートが3枚重ねとなる部分等に、浮きが生じないように接着剤(ポリマーセメントペースト)を隙間なく充填する。
(g)
立上り部の防水末端部の処理
(1)
立上り部を接着工法で施工する場合は、その端部にテープ状シール材を張り付けたのちにルーフィングシートを張り付け、末端部は押え金物で固定した上に、不定形シール材を充填する。
(2)
立上り部を機械的固定工法で施工する場合は、その端部にテープ状シール材を張り付けたのちに固定金具を固定し、種別S-M2 及びSI-M2 の場合は、ルーフィングシートを固定金具に対して溶剤溶着又は熱風融着により張り付け、種別S-M3 の場合は、固定金具に対して、熱風融着により張り付け、末端部には不定形シール材を充填する。
(3)
立上り部を屋内保護密着工法で施工する場合は、接着剤(ポリマーセメントペースト)塗布後、ローラー等で転圧し、ルーフィングシートを張り付け、はみ出したポリマーセメントペーストを端部に覆い被せる。末端部には、押え金物は使用しない。
(h)
仕上塗料塗り
仕上塗料塗りは、ルーフィングシートを張り付けたのち、ローラーばけ等を用いて、むらなく塗り付ける。
(i)
断熱材の張付け (断熱工法の場合)
(1)
接着工法の場合
下地に断熱材を隙間なく張り付け、ローラー等で転圧して密着させたのち、ルーフィングシートを張り付ける。
(2)
機械的固定工法の場合
下地に防湿用フィルムを敷設し、次に断熱材を隙間なく敷き詰め固定する。
(j)
保護層の施工(屋内保護密着工法の場合)
(1)
平場のモルタル塗り
(i)
床塗りの工法は、特記による。特記がなければ、15.2.5[工法](b)(2)及び(3)に準ずる。
(ii)
タイル張り下地等の下地モルタル塗りは、特記による。特記がなければ、15.2.5(c)(1)に準ずる。
(2)
平場を保護コンクリート仕上げとする場合は、9.2.5(d)(1)から(3)までに準ずる。
なお、保護コンクリートの厚さは特記による。
(3)
立上り部の保護モルタル塗厚は、特記による。特記がなければ、7mm以下とする。
(k)
(a)から(j)まで以外は、ルーフィングシート製造所の仕様による。